2012年3月11日日曜日

外部サイトからの新規レポート収集作業の停止について



sinsai.info では、外部サイトからの新規レポート収集を、2011/12/31付けで停止しましたので、ご報告させていただきます。


sinsai.info は、2011年3月11日以降、東日本大震災に関する災害情報や復興に関する情報を掲載するサイトとしてサービスを提供してまいりました。ツイッターやRSSなどから収集したデータを、情報ボランティアの目を通して内容を精査(モデレート)し、位置情報を付与した上で掲載するという段階を踏むことで、より精度の高い情報提供を目指しております。
システム開発者、モデレーター、翻訳者、法務関係者など、多くのボランティアの方々の力により当サイトを運営してまいりましたが、度重なるシステム移転等の事由により作業環境の整備に時間がかかったことや、新規の情報ボランティアの受け入れ体制不足などもあり、現在ではモデレーターの数が少なく、モデレート作業の継続自体が困難な状況にあります。
掲載内容の質を維持し、位置情報を付与するには、人の目を介してのモデレート作業が不可欠です。情報の質を落とさないことや、作業が必要な情報量及び作業量を考えると、ツイッターやRSSなどから収集したデータに基づいたレポート掲載を停止させていただき、直接投稿のみを掲載させていただくことにいたしました。

sinsai.info のような仕組みは、緊急時の混乱の中で、最も価値を発揮するものだと考えております。一方、Yahoo! Japan の復興なう (*1) や助けあいジャパンの情報レンジャー(*2)をはじめ、様々なサイトが地域ごとの復興情報を掲載しはじめており、緊急性は薄れ、長期的に継続可能なワークフローやリソースが必要になるステージに移ってきている状況です。sinsai.info としては、これまで収集してきたデータの再整理(カテゴリの振りなおしなど)や、今後発生するかもしれない災害時に向けての体制作りなどに活動の軸足を移したいと思います。
震災発生からこれまで、1万2千件を超えるレポートを収集させていただきました。sinsai.info に情報を提供していただいた皆様、サイトを訪れていただいた皆様、掲載許可をいただきましたサイト様に、深く感謝いたします。掲載許可をいただきながら、当方の都合であまり情報掲載ができなかったサイトの皆様には、この場を借りてお詫び申し上げます。

今後は、RSSなどを元に自動的に掲載しているレポート(ボランティアインフォからの自動投稿など)に関しては、引き続き掲載を継続させていただきます。また、sinsai.infoに直接、御投稿いただきました情報につきましても、モデレート作業を継続し、少しでも情報提供に尽力したいと考えております。
sinsai.infoが過去に蓄積したデータについては、カテゴリの再割り当てやレポートの見直しなど、情報分析が可能な状態にするための情報整理作業を、引き続き進める予定です。
また、緊急時の情報収集の仕組みとしてsinsai.infoが担う役割を、万が一に備え、広く提案してまいりたいと思います。

尚、学術的な研究や防災の観点から、震災発生後の貴重な保存資料として、有効活用できればと考えておりますので、sinsai.infoのデータについて関心のある方は、hal@sinsai.info までご連絡をお願い致します。
また、当サイトの情報整理ボランティアに関心のある方は、http://www.sinsai.info/page/index/6 をご覧いただければと思います。

*1) 復興なう http://shinsai.yahoo.co.jp/fukkounow/
*2) 情報レンジャー http://tasukeairanger.heteml.jp/wp/

2011年11月20日日曜日

楽天テクノロジーアワードで金賞をいただきました。


11月29日に開催された楽天テクノロジーカンファレンスにて、なんとテクノロジーアワード金賞という名誉ある賞をいただきました。

私が代表して受け取って来ましたが、これまで関わってきたすべての皆さんに対する賞です。本当にありがとうございました。これまでも、多くの人から、「あの時にsinsai.infoがあって助かった」「情報収集に役に立った」「勇気づけられた」という言葉をいただいてきました。私はたまたまその場にいて、代表という立場になりましたが、「被災地の人の役に立ちたい」という皆の想いがあったからこそ、12,000件を超えるレポートを集められたのだと思います。開発に携わっていただいた皆様、レポートを集めていただいた皆様、プロモーションや法務、デザインなどに関わっていただいた皆様、今日は皆さんのその働きが評価されたのです。被災地はまだまだITによるサポートを必要としています。一度活動から遠ざかっている方も、いつでも戻ってきていただければと思います。

ちなみに、当日行ったプレゼンテーションはこちらです。


まつもとゆきひろさんネタが入っていますが、当のまつもとさんが最前列で聞いておられたので驚きました。
「ほとんどの人は、適切な大きさと複雑さを持ったいい問題を探しているんですよ」というまつもとさんの言葉は、3年近く前の梅田望夫さんのインタビューに答えていたもので、オープンソース文化の背景にある人間的性質を良く表していると思います。
私自身OSSに関わる身としてずっと心に持ちつづけていましたし、少なからずオープンソース的文化が感じられる sinsai.info やH4Jの活動でも意識していたことだったのですが、まつもとさんの前でそれについて発表するという不思議な縁に感激しました。

sinsai.info はこれからも活動を続けてまいります。東日本大震災に関する情報収集も行なっていきますが、いつまた大きな地震が来ないとも限りません。その時に、今回よりももっとうまく動けること、ひとりでも多くの人の手助けになることを目指して、活動していきたいと思います。引き続きご声援をいただけましたら幸いです。

2011年6月9日木曜日

ジオメディアサミットでGoogle/Yahoo/ホンダ/渡邊研とパネルディスカッション


6月8日(水)に東京大学で開催された第7回ジオメディアサミットにて、「ジオメディアができること」と題して、東日本大震災で活躍したGoogle、Yahoo、ホンダ、首都大渡邊研らと sinsai.info メンバー(ジオメディアサミット運営メンバーの多くが参加)とで講演パネルディスカッションライトニングトークで今までの振り返りと今後に向けた意見交換が積極的に行われました。このような技術者の平時の交流が非常時に役立つことを見にしみて感じている我々として、引き続き組織を超えた大きな流れとして sinsai.info の勢いを加速してまいります!

2011年6月1日水曜日

Ushahidiディレクター/パトリック氏のメッセージ


5月31日、LinuxCon Japan 2011 プレスカンファレンスでの基調講演でUshahidiディレクター・パトリック・メイヤー氏が来日しました。(映像はsinsai.infoカンファレンス[5/14]に向けたビデオメッセージ)

sinsai.infoメンバーのオフラインでの交流が活発に行われ、sinsai.infoチーム最年少の @sora_hパトリック氏の2ショットも実現しました。(写真:AttributionNoncommercialShare Alike Some rights reserved by fumi ← 感謝!) Thanks! Patrick!!

追記: 5/31の LinuxCon Japan 2011 Open Forum in Yokohama 映像が公開されていました。


追記: パトリック氏とsinsai.infoメンバーの記念写真!(写真: by nobuyori ← 感謝!

2011年5月31日火曜日

LinuxConにUshahidiパトリック氏とsinsai.info登壇

5/31に開催されるLinuxCon Japan 2011プレスカンファレンスにsinsai.info副代表の三浦とsinsai.infoのベースとなっているUshahidi開発チーム代表パトリック氏が登壇します。
sinsai.infoの多くのメンバーが、パトリック氏と初めて顔合わせする貴重な機会。
詳細を以下に貼りつけましたので、ご参照ください。


LinuxCon Japan 2011 | オープン フォーラム

オープン フォーラム: The Power of Collaboration in a Crisis (災害時におけるコラボレーションの力)

このフォーラムは、協力的活動がどのように社会に貢献できるか、特に、危機や災害時にいかにして人々を支援できるかについて、問題意識を高めるものです。Ushahidi、Open Street Map Foundation、Hack for Japan、Linux などのオープン ソース コミュニティの例が紹介されます。このフォーラムに参加することにより、これらのコミュニティの活動内容や、コミュニティへの関わり方 (開発、翻訳、ドキュメンテーションなどを通じて) がわかります。
開催日時: 2011 年 5 月 31 日 (火)  開場13:00 開演13:30 終了予定18:00
開催場所: パシフィコ横浜会議センター 4F »MAP
参加費用: 無料
このオープンフォーラムにはどなたでも参加できます。参加ご希望の方は、 こちらからお申し込みください。

2011年5月28日土曜日

震災後に日本のOSMユーザが400アカウント増加!

sinsai.infoの運営母体はオープンストリートマップ(以下OSM)・ファウンデーション・ジャパンという自由な地図づくりを支援する組織。このOSMという活動は、2004年にイギリスでスタートし、世界中へとその運動を拡大しながら、2008年3月にようやく日本のコミュニティが立ち上がったまだまだ若い組織です。

当時10人程度の、本当に小さなコミュニティでした。以降、ジワジワとユーザが増え始め、2010年には600ユーザほど。2011年に入ってようやく800ユーザと、少しづつユーザーを増やしながら活動の幅を広げていました。上記グラフは、震災前後の日本OSMコミュニティの活動状況を意味しています。震災のあった3月にユーザー数が急激に伸び、総ユーザ数が1200アカウント以上、1ヶ月以内にOSMの編集作業を行ったアクティブユーザが約500アカウントとそれまでの200-300アカウントからほぼ倍増しました。

この勢いをさらにすすめながら、これからの復旧・復興の過程をきちんと地図に記録できるよう引き続き、背景地図の更新作業をすすめていきます。

2011年5月27日金曜日

日本にいる外国人の方々へのアプローチ YokosoNews


震災後、我々 sinsai.ifno を含め多くの情報サイトが立ち上がりました。しかし、どうしても日本語の情報が先行して英語での情報発信が十分に行われていない状況にあります。そんな中 YokosoNews さんが積極的な英語での情報発信を続けられて、我々 sinsai.info のことも発信していただきました。先日、sinsai.info の関代表と三浦副代表がスカイプで出演しました。また我々のブログも英語版(Sinsai.info BLOG in English)があります。まだまだ英語が苦手な我々ですが、強力な翻訳チームと協力しながら引き続き情報発信を続けております。